君と歩む夢みて~時は平安~
違和感
今日は朝から慌ただしかった。
「…?」
いつにない慌ただしさを不思議に思う。
なんかの宴の日だっただろうか…
いや、違うはずだ。
そんな話し微塵も聞いていない。
「なぁ、天竜。」
「なんですか?」
「なんだか…今日は騒がしくないか?」
私も思っておりました。と天竜は言い、廊下を覗く。
“出てきたわよ…薄汚い農民が”
騒がしい原因の一つは暇な貴族達の陰口らしい。
「そんなことを言うお前等の方が充分汚らわしいわ。」
「よ…黄泉様!」
こういうことを聞いて、黙っていられない私はもちろん当たり前のように、すぐさま言い返した。
“主が主なら…お付きもお付きね…”
こんなのは日常茶飯事で慣れている。
だけど…今日の陰口は特に酷い。
黙って聞いていられないものばかりだ。