君と歩む夢みて~時は平安~
落ち着いた脳内と、落ち着いた鼓動。
意を決するように深呼吸をした。
そして、ゆっくりと…言葉を発す。
「そんなこと…ありません。
私は…天竜や弦、咲威と関わっていて…色々なことを経験できたのです。」
そう。
人と関わっていく大切さをはじめに、人の温かさや、人との接し方。
今までは、身分を無くすとか口では言っといて、結局は貴族である自分に甘えていた。
自分の短所もわかって…人としても大きく成長できたと思う。
「今までは、自分の置かれた立場に留まって…自分から動こうとしませんでした。
…面白くないことがあると、感情任せに怒鳴っていました。そんな…幼い私を変えてくれたのが…」
天皇の顔を見据え、私は言う。
「天竜、弦、咲威なのです。」
凛と…部屋に響いた。