君と歩む夢みて~時は平安~
「どういう…意味でそう思われるのですか?」
そう言った私に天皇が、初めて私から目を逸らした。
その瞬間を見てしまったせいか、私は胸の内が疼いていっている感じに気がつく。
再び見た天皇の顔は酷く切ない顔を…
して、いた。
「父様…」
気づけばそんなことを呟いていた私。
「黄泉…すまぬ。やはり、…同意できぬ。お主には幸せになってほしい…。」
さっきから、天皇が言っている言葉は要するに、
“農民と結ばれたら幸せになれない”
ということだろう。
何を根拠にそんなことを言っているのだろう?
「天皇は…何故、そこまで身分の差に拘るのですか?」
さっきから、酷く傷ついたような…そんな表情を浮かべる天皇。
自分の父親だけに心配になる。