君と歩む夢みて~時は平安~
更に目を背ける天皇に、抱いた疑問は膨らんでいく。
「拘っているわけではない…」
どこか、弱気なその言い方はさっきまでの天皇と別人。
私は責める…、とは違うが更に天皇を追い詰めていくように言葉を発した。
「拘っているように私には見えます。どうしたのです?天皇らしくないです。」
「…だから、そんなことはない。何回言わせるのだ。」
…っ。
これが、天皇の特権。
逆らう術を与えない。
同時にズルい手でもある。
反論する余地をなくした私は、乱した体勢を直した。
「…………」
再び、息詰まるような沈黙が流れる。