君と歩む夢みて~時は平安~
「…天竜を呼べ」
しばらくの沈黙。
そんな沈黙を破るかのように天皇はそんな言葉を発した。
「天竜…を?」
「あぁ。早よ、呼べ。」
「…わかりました。」
ー数分後。
再び、この部屋に現れた天竜。
その表情は困惑に満ちている。
「連れてきました。」
正座をし、天皇に言う。
天竜も静かに横に腰をおろし、頭を下げていた。
そんな私達を探るように見回したあと、天皇は口を動かす。
「私は…どうしても、農民と貴族の恋愛は賛成できぬ」
私も、天竜も何も言わない。