君と歩む夢みて~時は平安~



天皇がさっき同様…酷く傷ついたような顔をしているから。



天竜が気付いているのかはわからないが…。



気付いていると私は思う。



「行く末のない恋愛など…己を駄目にするだけだろう。今の世の中そんなに甘くはない。…普通、お主らは今頃死んでいるのだぞ?」



天皇の言葉は確かに正しい。



私達がこうして生きていられるのは天皇のおかげなのは…わかっているのだ。



…私も天竜も。



「…黄泉は先程、色々な経験ができたと言っていた。…けれど、これから天竜がいたら簡単に黄泉の心は乱れる。絶対、悔やむときがくるであろう。」



…わかっているのだ。そんな事は。





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