3度の出会いと3度の恋
「まだうちに居ていいから。ね?」
彼女に執着する理由…それに気付くはずもなく、それでもせっかく出会ったこの機会を逃したくなかった。
それに…あの『ゆきちゃん』も彼女と同い年くらいだろうから…なんて無理矢理理由をつけてみたりする。
「いえ、いいですから。」
ゆきの声はいやに部屋に響いた。
先ほどとは違って無機質で真っ向から拒否するような声。
それを聞いて現実を見た気がした。
俺が書く小説のように…お礼という名のデートをして連絡先を聞いて、幾度となくデートを重ねゴールイン…なんてうまくはいかない。
それにこの子だって付き合いだしたら変わるのかもしれないし。