3度の出会いと3度の恋
会場に着いてからは挨拶まわりに専念した。
新人という枠は脱したとはいえまだまだ新人のようなもので、先輩がほとんどだ。
顔を売るのは大切だし。
笑顔を振る舞っていると会場が突然暗くなった。
「本日は新人賞祝賀会にご参加頂きましてありがとうございます。早速新人賞を受賞しました白雪からお話を頂きます。」
パチパチパチ
会場のほぼ全ての視線が集まるなか彼女は壇上へと上がった。
細い手足に白い肌、少し強張った表情に少し弱々しい瞳。
薄緑のドレスを身に纏い一息ついて言葉を紡ぎ出した。