花が散る頃に去った君
中学の頃から髪は染めていた。


目が痛くなるほどの、オレンジ。



じぃちゃんは何も言わなかった。


変わりに高学年に目を付けられる様になって




気付いたら、ケンカ三昧の毎日を送っていた。





その日は朝から曇だった。

いつ雨が降りだしても、おかしくない空。



鬱々としていたが、それはまんま俺の心を現していた。




じぃちゃんが死んで3日。

言葉を交わすことは少なかった。


なのにじぃちゃんの存在は確かにでかかった。




胸の中が空っぽで、


とんでもない消失感と虚無感に襲われていた。




今まで狭いと感じでいたアパートは、あまりにも広く感じた。



“じぃちゃんが居た”


その思い出に蓋をするように、部屋に鍵をかけた。



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