花が散る頃に去った君
雨は髪の毛を濡らし


首筋を伝って服の中に流れた。


服は身体に張り付いて


靴は水を吸って重くなった。



「ぐはっ!」

気付いたら、一人の男を片手で締め上げていた。



伸ばした腕、滴る雫


雨と共に地面に落ちた。




返り血が服を赤く染め、
最後の一人を地面に落とした。



見渡せば、さっきまで殴りあっていた男達、


全員が雨の打つ地面に転がっていた。




雨の音に混じって、


遠くで救急車のサイレンが聞こえた。



誰が呼んだのかもしれない。



俺はまた一人が歩き出す。



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