Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
1章 夏の始まり

☆出会い☆


まだ、暑くなり始めたばかりの6月


私中尾萌音は、旧校舎の中庭から帰ろうとしていた



「はぁ、、結構暑くなってきたな…」



溜息と同時に爽やかな風が私の髪を優しく撫でてくれる



うちの学校は新しい校舎が出来てから、
この旧校舎の中庭は誰も通らなくなった



でも私はこの中庭の景色が好きで


部活が終わると必ずここを通って下駄箱に向かっていた



中庭には花壇があり朝顔や水仙、パンジーが沢山植えられてて




「あっ!?黄色のパンジー咲いたんだ!!」



昨日まで咲いてなかったのに…



可愛いな。




こんな風に季節を感じながら過ごすのが大好きだった



パンジー畑の横のアスファルトに腰掛けたあと



しばらくそこで景色を眺めているこの瞬間が、



私の心をいつも癒してくれていた


< 1 / 236 >

この作品をシェア

pagetop