Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
1章 夏の始まり
☆出会い☆
まだ、暑くなり始めたばかりの6月
私中尾萌音は、旧校舎の中庭から帰ろうとしていた
「はぁ、、結構暑くなってきたな…」
溜息と同時に爽やかな風が私の髪を優しく撫でてくれる
うちの学校は新しい校舎が出来てから、
この旧校舎の中庭は誰も通らなくなった
でも私はこの中庭の景色が好きで
部活が終わると必ずここを通って下駄箱に向かっていた
中庭には花壇があり朝顔や水仙、パンジーが沢山植えられてて
「あっ!?黄色のパンジー咲いたんだ!!」
昨日まで咲いてなかったのに…
可愛いな。
こんな風に季節を感じながら過ごすのが大好きだった
パンジー畑の横のアスファルトに腰掛けたあと
しばらくそこで景色を眺めているこの瞬間が、
私の心をいつも癒してくれていた
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