Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
あぁ…やっぱり…
諦めにも似た気持ちで紙を見つめた
昴君が理由…
それだけは嫌だった
だって大好きな人が嫌がらせの原因なんて
悲しすぎるよ……
次第に涙が溢れてきて
それが落ちそうになったとき
ビリビリ!!!
急に私の目の前から紙が消え破る音がした
えっ…
横を見ると
杏ちゃんが紙を破いてごみ箱に捨ててた
「杏………」
「こんな事だと思った!」
ごみ箱から戻って来た杏ちゃんは私をギュッと抱きしめた
「なん…で…」
「バカッ!!何年親友やってると思ってんの!!萌音が私に冷たくするなんて理由があるに決まってる、分かるよ…」
そして更にキツク抱きしめて
「なんで隠したの?」
って優しく聞いてきた
私は泣くのを堪えて
「だって、お母さんの事でも…助け…てもらって…これ以…上迷惑掛けられな…いよ」
って口にした