Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


杏ちゃんは抱きしめていた体を離したあと

私の顔を両手で包んで真っ直ぐ目を合わせた


「バカ萌音!!迷惑だなんて思ったこと一度もないよ!!色んな事一緒に乗り越えてきたじゃない…だから今度も一緒に頑張って乗り越えようよ…私は萌音が大好きなんだよ…」


杏ちゃん…

優しくて穏やかな声に反応して私の目から涙が溢れてきた


私は杏ちゃんに抱き着いて


「なんで?なんでの…ただ昴君が好きなだけなのに、大好きなだけなのに…好きで居ることもいけないの!!」


心の中の想いを杏ちゃんにぶつけた


杏ちゃんは優しく頭を撫でながら


「萌音は悪くないよ…悪いのはこんな最低な事する奴だよ。
大羽君が萌音を選んだんだから

だから負けるな萌音!!私が一緒に居るから負けるな…」


杏ちゃんは

私が泣き止むまでの間ずっと抱きしめてくれていた



ありがとう…


ありがとう杏ちゃん…


そしてごめんね…


本当は巻き込みたくなんてなかった


また迷惑掛けてしまう私を


嫌いにならないで…


そぉ何度も呟いた



< 106 / 236 >

この作品をシェア

pagetop