Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

その次の日から


杏ちゃんは朝下駄箱を私の代わりに見てくれるようになった


下駄箱を開けると見える悪口が書かれた白い紙切れ

始めの日は一枚だったのが


日を追うごとに次第に増えていった



『死ね!!』

『調子に乗るな!!』

『早く別れろ!!』

酷いときは一緒に画鋲やゴミが入れられてる時もあった


私を攻撃する言葉に心が折れてしまいそうになる…


だけど杏ちゃんの存在だけが私を支えてくれてた

「萌音!!こんな言葉気にするな!!」


そぉ言って笑いながら私の手を繋いでくれる


「うん、気にしない。」


それだけで強くなれるような気がしてくるんだ


教室に行き授業を受けて帰りの時間になり

上履きを袋の中にしまう


そして杏ちゃんがまた下駄箱を見てくれて


紙を捨ててから帰る


こんな生活を何日も、何日も繰り返したある日




今日も朝から酷い事を書かれた紙を見て杏ちゃんが




「ねぇ萌音…大羽君に言ったほうがいいんじゃない…」

って真剣な顔して言ってきた




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