Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
☆杏果の嘘☆
私、沢田杏果はある人が待っている場所に歩いてる
それは……
凌弥に下駄箱まで呼び出して貰っていた
大羽昴だった
ごめん、萌音…
萌音の言いたくない気持ちは分かるよ
でもこれはきちんと大羽君に伝えるべきだと思うんだ
萌音の心が壊れてしまう前に何とかしてやりたい…
だから凌弥に話すと嘘をついた私を許して…
ごめんね…萌音…
下駄箱に着くと凌弥と大羽君が待っていた
「沢田さん、話しって何?」
何も知らない大羽君が私に聞いてくる
私はゴクリと唾を飲み込んで
「これ、見て…」
と言って萌音の下駄箱を開けた
バサッ−−−
ヒラヒラと落ちる数枚の紙を大羽君が拾い上げた
それに目を通した彼の顔はみるみる内に強張っていった
「…な、んだよ…これ…」
そぉ言って紙をグシャグシャに丸めて
それから私に向かって
「いつから??」
って聞いてきた