Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


「お願い…萌音を助けて…」


私は泣きながら大羽君の腕を掴んだ…


「大羽君しか居ないんだよ…萌音を助けられる人…」


批判の紙や、置かれたゴミは私でも捨ててやれる


でも嫌がらせを止めさせる事が出来るのは大羽君だけなんだよ


だからお願い…


萌音を助けて……


私が掴んでる腕を更に強く握り懇願すると


「萌音…今どこ??」


って大羽君が聞いてきた


「調理実習室…」

答えると…


「沢田さん、教えてくれてありがとう…後は俺が必ず何とかするから。萌音の事守るから」


って言って私の手を離して走って行った


残された私を凌弥が優しく包み込んだ


「きっと、昴なら何とかするよ…杏果も辛かったな…」


その言葉にまた涙が溢れてきた


きっと大羽君は萌音を助けてくれる



そぉ心の中で強く思ったのに


なのに……


昴君が助け出す前に萌音の心が壊れてしまう事になるなんて…


この時の私は少しも疑っていなかった……






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