Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
昴君に送られて家に帰ってきた私は
制服のまま布団に潜った
帰り道昴君は何度も『萌音のせいじゃないから…』って言ってた
だけど私は、自分を責めずにはいられなかった
優しかった愛瑠ちゃん
一年生から一緒で
体育の時とか運動神経が悪い私をいつも助けてくれた
誰にでも同じで悪口を絶対言わない愛瑠ちゃんが大好きだった
なのに
昴君を好きで、大好き過ぎて私にしてしまった事を
私は責める事なんて出来ない
『萌音より昴を理解してる』
その言葉が頭を離れなかった
昴君と愛瑠ちゃん付き合ったらきっと上手くいったはず
私が居なければ昴君は愛瑠ちゃんを好きになってたよね
そぉ思うと涙が溢れてきて
布団を被ったまま泣いた
「ウッ…ツッ……」
ごめん…愛瑠ちゃん…
ごめん…昴君……
私もぉ駄目だ
もぉ頑張れないよ……
私の中の細い細い最後の心の糸が切れてしまった
勇気とか自信とか
持っていた物が今日全て壊れてしまったような気がする
布団に包まり泣きながら
私は昴君との
別れを決めていた………