Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


昴君に送られて家に帰ってきた私は


制服のまま布団に潜った



帰り道昴君は何度も『萌音のせいじゃないから…』って言ってた


だけど私は、自分を責めずにはいられなかった


優しかった愛瑠ちゃん


一年生から一緒で

体育の時とか運動神経が悪い私をいつも助けてくれた


誰にでも同じで悪口を絶対言わない愛瑠ちゃんが大好きだった


なのに


昴君を好きで、大好き過ぎて私にしてしまった事を

私は責める事なんて出来ない


『萌音より昴を理解してる』


その言葉が頭を離れなかった


昴君と愛瑠ちゃん付き合ったらきっと上手くいったはず


私が居なければ昴君は愛瑠ちゃんを好きになってたよね


そぉ思うと涙が溢れてきて


布団を被ったまま泣いた


「ウッ…ツッ……」


ごめん…愛瑠ちゃん…


ごめん…昴君……


私もぉ駄目だ

もぉ頑張れないよ……


私の中の細い細い最後の心の糸が切れてしまった


勇気とか自信とか


持っていた物が今日全て壊れてしまったような気がする


布団に包まり泣きながら


私は昴君との


別れを決めていた………







< 127 / 236 >

この作品をシェア

pagetop