Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
☆サヨナラ☆
今日は朝から
空が暗くどんよりした空気が漂ってる
これは私の気持ちと一緒だよね
そんな空を眺めながら大きく深呼吸して
中庭に向かった
いつもなら昴君に会える喜びでウキウキしながら歩く廊下を
俯きながら足を進める
昨日の夜中昴君にメールを打った
『大切な話しがあるから、中庭で朝待ってます。』って
泣き腫らした顔を見られるのは嫌だけど
今日言わなくちゃ決心が揺らいでしまう
そんな気がした
中庭に着き、昴君を待った
今にも降り出しそうな天気に
気持ちもどんどん沈んでいくような感じがする
いつも先に来てくれてた昴君
最後の日の待ち合わせだけ私の方が先なんて
何だか皮肉っぽかった
5分程待つと
息を切らしながら昴君が走って私の方に向かってくる
「ごめん!朝練あったから遅れた!」
いつもと同じ笑顔で話す彼を見て
心臓の心拍数がどんどん上がっていくのが分かった
「で?萌音、大切な話しって何??」
「うん…」
昴君の問いかけに私はそっと口を開いた