Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

「もぉ耐えられないの…誰も傷ついたりしてほしくない…」


自然と流れ出す涙を押さえる事が出来なかった


「萌音………」


「ごめん…なさい…」


「萌っ!!!」


私は昴君を残して中庭から走り去った


ごめん…

ごめんね…


昴君…


大好きだよ


大好きなのに

ずるい私は自分が辛くない方を選んだ



−ピロロロ………


中庭から走り去った後
授業を出る気にはなれなくて

家に帰る途中携帯が鳴った


着信画面を見ると


杏ちゃんからだった


「はい…」

『萌音!!今どこ!!』

「ごめん、今日休むね…」

心配してくれてる杏ちゃんにそれだけ言った


『大羽君、凌弥のとこに来て、萌音と別れたって言ってたよ』


昴君ちゃんと分かってくれたんだ…


「うん…」


『萌音はそれでいいの??』


「うん…」


いつしか降り出して来た雨の中私はただ頷くしか出来なかった





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