Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
情けない気持ちで
俯いて地面を見てたら
『おい、中尾!』
担任の先生に声を掛けられた
『お前、実行委員だよな?悪いけどリレーに使うバトンを10本、体育倉庫から持ってきてくれ』
「あっ…はい、分かりました」
昴君を見ていたくない私は逃げるように体育倉庫に向かった
体育倉庫は校庭の調度裏側にあって
人が一人も見えない
走って体育倉庫に着いて
重い扉を開けて中に入った
「えっと…バトンは…」
薄暗い倉庫の中からバトンを探してると
奥のほうにバトンがあるのが見えた
「あっ!あった!!」
バトンを10本手にして
「これで、10本♪っと」
立ち上がると体育倉庫の入口から男の子達の声が聞こえた
それも聞き覚えのある怖い声
ふっと振り返ると
そこに居たのはあの日私を襲った
男の子達だった……
何で……
何でいるの……
どうしよう……
また何かされたら
あの日の光景がフラッシュッバックするかのように蘇る
『うるせぇな!大人しくしろよ!!』
あの低いドスの聞いた声
それを思い出すだけでも怖くて足が震えた……