Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

「実は……」


名波君はゆっくり口を開き話し出した


「昴あの日、萌ちゃん送って行ったあと学校に戻ったんだよ」

学校に戻った?

どおして??


「そんで、アイツ等見つけてシメたんだよね…」


えっ……

「すげぇ怖い顔してたからマズイって思って、着いてったんだけど…マジで凄かった。あんな怒った昴は初めてだったな」


何で…


「何でそんな事したの!もし喧嘩したのが先生に見つかったら大会出れなくなっちゃうじゃない!!」


運動部の暴力事件は絶対ダメなのに


心配そうにする私に対して


「それは…昴なりのケジメなんじゃないかな…」


って名波君が静かな口調で言った


「萌ちゃんが嫌がらせ受けてるって聞いて、すぐに気付いて助けてあげられなくて悔しかったんだよ…だからせめて、萌ちゃんがもぉ怖い思いだけはしないようにって…俺がアイツでも同じ事してたと思うよ。」

私の為……


私の為に試合に出れなくなるかもしれないのに


闘ってくれたの??


それを聞いた瞬間涙が溢れてきて


止まらなかった




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