Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

「昴君…」

「怪我しなくて良かった…」


切なそうな声を出す彼に思わず ギュッと抱き着いてしまう


だけど昴君はそっと私の身体を離して


「悪い、俺今は萌音を抱きしめられる立場じゃなかった…」


って寂しく笑った


あっ……


今更だけど自分の出した答えに後悔してしまう


「本当だよな…生徒会長の言う通りだよ…俺は萌音を追いかけなかった…」


違うよ…


昴君は優しいから

私が辛くない方法を考えてくれただけだよ


狡いのは私だよ……


「萌音だって俺と付き合わなきゃ、辛くなかったもんな…」


「そんなっ!!」


それだけは違う!!


否定したくて立ち上がると
ハーフパンツのポケットから携帯が落ちた


カタン……


落ちた携帯をそっと拾い上げてくれる


そして携帯に視線を落とした


あっ……


落ちた時に押されてしまったボタン


携帯の明かりが付いて


待受画面が現れた


そこには2週間経っても消せずにいた


夏祭りの昴君が写ってた




< 148 / 236 >

この作品をシェア

pagetop