Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「昴君…」
「怪我しなくて良かった…」
切なそうな声を出す彼に思わず ギュッと抱き着いてしまう
だけど昴君はそっと私の身体を離して
「悪い、俺今は萌音を抱きしめられる立場じゃなかった…」
って寂しく笑った
あっ……
今更だけど自分の出した答えに後悔してしまう
「本当だよな…生徒会長の言う通りだよ…俺は萌音を追いかけなかった…」
違うよ…
昴君は優しいから
私が辛くない方法を考えてくれただけだよ
狡いのは私だよ……
「萌音だって俺と付き合わなきゃ、辛くなかったもんな…」
「そんなっ!!」
それだけは違う!!
否定したくて立ち上がると
ハーフパンツのポケットから携帯が落ちた
カタン……
落ちた携帯をそっと拾い上げてくれる
そして携帯に視線を落とした
あっ……
落ちた時に押されてしまったボタン
携帯の明かりが付いて
待受画面が現れた
そこには2週間経っても消せずにいた
夏祭りの昴君が写ってた