Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

「なっ!!」


驚いて見上げる私を無視して
涼しい顔で愛瑠ちゃんに手を振る


−−バタン


青矢先輩の顔を睨みながら
愛瑠ちゃんは早足で屋上を出て行ってしまった




「青矢…先輩…」


私が口を開きかけると


「お前は馬鹿か??」


って青矢先輩が呆れた顔で私を見た


「何であんな女にのこのこ着いてくんだよ。また襲われたらどうすんだ。警戒心がなさ過ぎ…」


「だって…」


愛瑠ちゃんはいい子ってずっと思ってたんだもん


私を襲わせたのだって他の子達で


愛瑠ちゃんはもしかしたら
怖くて言えないだけだったのかなって


どこかで信じてた……


「てか、たまたま俺がタバコ吸うんで居たからいいけど。
アンタって本当単純バカなんだな」

単純バカ…


確かにそうだけど


青矢先輩の言葉はどれも当たってるけど


私の心に突き刺さってきて


泣きそうになる



下を向き涙を堪えてると


「けど…」


って言いながら頭を優しく撫でてきた



えっ……


< 164 / 236 >

この作品をシェア

pagetop