Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「なっ!!」
驚いて見上げる私を無視して
涼しい顔で愛瑠ちゃんに手を振る
−−バタン
青矢先輩の顔を睨みながら
愛瑠ちゃんは早足で屋上を出て行ってしまった
「青矢…先輩…」
私が口を開きかけると
「お前は馬鹿か??」
って青矢先輩が呆れた顔で私を見た
「何であんな女にのこのこ着いてくんだよ。また襲われたらどうすんだ。警戒心がなさ過ぎ…」
「だって…」
愛瑠ちゃんはいい子ってずっと思ってたんだもん
私を襲わせたのだって他の子達で
愛瑠ちゃんはもしかしたら
怖くて言えないだけだったのかなって
どこかで信じてた……
「てか、たまたま俺がタバコ吸うんで居たからいいけど。
アンタって本当単純バカなんだな」
単純バカ…
確かにそうだけど
青矢先輩の言葉はどれも当たってるけど
私の心に突き刺さってきて
泣きそうになる
下を向き涙を堪えてると
「けど…」
って言いながら頭を優しく撫でてきた
えっ……