Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「あんなに脅されたのに首を縦に振らなかったのは、偉かったな…」
穏やかに
優しい低い声で口にした
青矢先輩の顔を見ると
小さく微笑みながら私の事を見つめてた
「うっ……ヒック…」
その優しさに安心したのか
一気に涙が流れてくる
「泣くんじゃねぇよ。泣く女はウザイんだよ。」
「ご…めん…なさい…」
迷惑を掛けたくなくて涙を止めようとするけど
なかなか止まらない
「今…泣き止み…ます…」
涙声で口にすると
−ハァァ……
って青矢先輩が溜め息をついて
「仕方ねぇな…」
って口にした
「先輩??」
顔を上げると
えっ……
私は青矢先輩に抱きしめられていた
「青!!」
「いいから黙れ。」
驚く私の言葉を遮り
「仕方ねぇから胸貸してやる。だから泣きたいだけ泣け…」
って口にした
青矢先輩……
「ウック……」
甘えちゃいけない
分かってるけど先輩の手が背中を心地いいリズムで叩くたび
涙が溢れてきてしまう