Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

そんな私の頭上で青矢先輩が囁いた


「お前さ、俺にしろよ。俺なら別れたりしなくてもお前の事守ってやるよ…」


何でそんな事言うの


私が好きなのは


戻りたいのは


昴君なんだよ……


「一回しか言わないからよく聞け。お前はかなり可愛いよ。」


青矢先輩……


「正直、俺がハマッてるなんて信じられないけどな」


甘い香りに包まれながらどうしていいか


分からなくなる


「俺がお前を守ってやる。だから俺を好きになれ。」


耳元で囁くと


青矢先輩は私を強く抱きしめた



離れなくちゃいけないのに


私はその腕を振り払う事が出来なかった



青矢先輩…


青矢先輩と居たら私の心は楽になれますか??


昴君の事は大好きだけど


先輩と居たら昴君への気持ちが無くなるのかな


そのほうが幸せなのかな


先輩の肩越しから見える景色を眺めながら


心が揺れていた



まさか私と先輩が抱き合ってるところを

昴君が見てるなんて


知らずに……







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