Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

「いいから行くぞ!!」


私が笑ったからか先輩は少しだけ頬を赤くして


ジェットコースターへと早足で歩き出す


ジェットコースター乗り場は混んでたけど


20分位の待ち時間で乗る事が出来た


それからも私達は


魔法のじゅうたんや射的、ゴーカートと次々に回った


青矢先輩は女の子の扱いに慣れているのか


ランチも私好みの場所に連れてってくれる



大人で余裕がある青矢先輩


女の子ならデート出来たら誰でも嬉しいよね


私だって嬉しい…


嬉しくて楽しい筈なのに


心から喜べない自分がいた



「よし、次はお化け屋敷な。」


そんな私の心を知ってか知らずか


青矢先輩は次から次へと提案してきてくれる


「はい。」


私は気持ちを知られたくなくて笑顔で微笑んだ


そんな私の顔を見て


青矢先輩が優しく手を取りゆっくりと歩いてくれる


その優しさが私の胸を少しだけ苦しくさせた




< 173 / 236 >

この作品をシェア

pagetop