Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

お化け屋敷に入ると


中は真っ暗で思わず足がすくんでしまう


「怖いか??」


青矢先輩が優しく囁く


「ちょっと…」


って答えると少しだけ笑って私の肩を抱いた


抱かれたところからあの甘い香りが広がる


昴君とは違う香り



あっ…


まただ…


私また昴君の事考えてる


今日だけで何回考えた


射的も


魔法のじゅうたんも


ゴーカートも


昴君ならきっとこうするって


無意識に考えてる


青矢先輩がどんなに素敵でも


私の頭の隅には


昴君…貴方の影がチラついてるの


青矢先輩との事前向き考えるって思ってるのに


貴方を忘れる事が出来るのか


不安で仕方ない私がいる


ううん


本当は忘れるなんて出来ないって


心が叫んでるのかもしれない


私はそっと青矢先輩を見上げた


視線が重なり


いつものクールな笑顔じゃなくて


暖かい眼差しを私に向けてくれる


先輩……


優しく微笑む青矢先輩の顔を見ると


私の心の中は


罪悪感で一杯になった……




< 174 / 236 >

この作品をシェア

pagetop