Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
お化け屋敷から出てくると
外は薄暗くなり始めていた
私は胸の中の罪悪感を取り払うように
青矢先輩に満面の笑みを浮かべて話し掛けた
「先輩、私観覧車に乗りたい!」
昴君の事は考えない
こんなに素敵な青矢先輩が私を好きだって
言ってくれてるんだもん
青矢先輩の事だけ考えなくちゃ
「観覧車ね…行くか…」
私からのリクエストに答えてくれて
私達は観覧車に乗った
ユラユラと揺れながらゆっくり上を目指して行くゴンドラに
二人きり
青矢先輩は黙って外の景色を眺めてた
私はわざとはしゃぐように
「先輩見て!!あんなに人が小さい!!」
って下の景色を見下げながら
話し掛けた
「あぁ…そうだな…」
青矢先輩はそれだけ答えると
また外を眺める
なんか機嫌悪いのかな??
もしかして観覧車嫌いだったとか…
「あの…先輩…」
そぉ言って先輩にもう一度話しかけようとした時
−−グラッ!!
ゴンドラが大きく揺れて
私は青矢先輩の腕の中にいた