Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「あの、私…」
「お前さ。まだ大羽が好きなんだな。」
私が口を開いたと同じタイミングで青矢先輩が聞いてきた
先輩…
私は黙って首を縦に振った
「じゃあさ。戻るの?」
「戻る…」
「あぁ。好きなんだろ?」
うん…好きだよ…
好きだから戻りたい
だけど戻れない…
戻るのが怖い…
「フッ…それは嫌なんだ…」
「えっ??」
先輩は何もかも分かってる
そんな目を私に向ける
「好きだけど、戻りたくない。てか怖い?そんなとこだろ?」
自分の気持ちを当てられて
動揺する私にはお構いなしに
青矢先輩は更に言葉を続ける
「自分から振っておいて都合良すぎるしな。
それに今度は自分から言わなくちゃいけないから、自信ないわけだ。
しかも前の事があるから戻る勇気もないっと。」
「………」
全部当たってる
青矢先輩の言った通りだよ
自分に自信がなくて弱虫な私は
都合よく自分から別れておいて
また付き合いたいなんて昴君に言える勇気なんてなかった