Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「見てた癖にその場から逃げたよな。」
昴君が見てたなんて
全然気付かなかった
私の鼓動はドンドン速くなっていった
「逃げてない。ただあそこで俺が出て行っても萌音が傷つくって思ったから引き返しただけですよ…」
「はっ?なんだそれ。」
「生徒会長、萌音は誰よりも気持ちが優しいんですよ。だから愛瑠がしたこともきっと自分のせいにして責める。俺があそこで出て行っても萌音の傷が広がるだけですから。」
昴君は青矢先輩を真っ直ぐみつめて答えた
昴君…
「ご立派だね。でもそのお陰で俺はアイツを抱くことが出来たんだから感謝しなくちゃな。」
淡々と切り返す青矢先輩がなんだか怖く感じてしまう
「だから、それはないですよ。」
「何で分かる?現に俺とアイツは」
−−ガッ!!
「萌音はそんな簡単じゃねぇんだよ!!」
さっきまで冷静だった昴君が青矢先輩の胸倉を掴み
怒鳴った
「アンタに萌音の何が分かんだよ!!萌音をアンタが今までヤッタ女と一緒にすんな!!
それに、俺が萌音と別れたのは他の男に渡す為なんかじゃない!!萌音を守る為だ!!」
昴君…
その言葉に胸が熱くなる