Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

「お前の守るってなんだよ。」


「はっ…」


−ガタッ!!


えっ!!


昴君!!!


「別れたら守れる?ふざけんな!!実際別れた事で萌音は苦しんでる!!俺なら笹本からも他の連中からも守れるね!!
大羽。お前は結局笹本にもいい顔したんだよ。だからアイツはまた萌音を呼び出して罵倒したんだぞ!!」


「つッ……」


青矢先輩は昴君の手を払いのけて地面に押し倒した


「そんな守りかたなんか必要ねぇんだよ。俺が萌音を貰うから。決めるのはアイツだからな。」


青矢先輩に押し倒されながらも

昴君はまた青矢先輩の胸倉を掴む


「何度も言いますけど、生徒会長には渡しませんよ。」


「随分な自信だな。」


「当たり前、萌音は俺が初めて好きになった女で
やっと手に入れた宝なんですよ
生徒会長、アンタより数倍俺の方が萌音を大切だし愛してんだ

だから萌音が笑ってられるなら俺は何だってする…それが自分にとって辛い別れでも
萌音の心が壊れるくらいならいくらだって耐えてみせる」


−ポタ……


私の頬から


涙が次々に零れてきてた


昴君……


なんで


なんでそんなに優しいの


私は一瞬でも青矢先輩と昴君を天秤にかけたんだよ


さっきだって青矢先輩の腕から逃げることも出来なかった


それなのに


昴君は


そんな私を愛してくれる


私は屋上の隅で声を殺して泣いた




「そんなに大切で愛してるなら俺と勝負するか?大羽。」


不意に青矢先輩が言葉にした



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