Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
勝負??
「勝負って何ですか?」
昴君は私と同じ事を思ったのか先輩の胸倉から手を離し
眉間にシワを寄せながら
青矢先輩を見た
「そうだな…」
先輩は少し考えたあと
何かを閃いたように少しだけ笑顔を見せる
「1週間後に行われる体育祭。お前確か、紅白リレーの最終アンカーだったよな。」
「あぁ。」
先輩からの問い掛けに昴君が頷く
「俺もリレーのアンカーだから、お前が勝ったら俺は萌音を諦めてやる…だけど、もしお前が負けたら…萌音の事は忘れてもらう。」
「…」
確かにうちの学校には伝統行事として
体育祭の終盤に毎年各学年の選抜メンバーで
紅白に別れてリレーを行う
アンカーは紅白それぞれのチームの1番速いタイムの人が勤める
二人ともアンカーなんだ…
だけどそんな勝負
する意味がどこにあるの
「黙ってるけど自信ないわけ?」
青矢先輩が挑発するように
昴君に視線を投げかける