Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

勝負??





「勝負って何ですか?」


昴君は私と同じ事を思ったのか先輩の胸倉から手を離し

眉間にシワを寄せながら


青矢先輩を見た


「そうだな…」


先輩は少し考えたあと


何かを閃いたように少しだけ笑顔を見せる


「1週間後に行われる体育祭。お前確か、紅白リレーの最終アンカーだったよな。」


「あぁ。」


先輩からの問い掛けに昴君が頷く


「俺もリレーのアンカーだから、お前が勝ったら俺は萌音を諦めてやる…だけど、もしお前が負けたら…萌音の事は忘れてもらう。」


「…」


確かにうちの学校には伝統行事として


体育祭の終盤に毎年各学年の選抜メンバーで


紅白に別れてリレーを行う


アンカーは紅白それぞれのチームの1番速いタイムの人が勤める


二人ともアンカーなんだ…


だけどそんな勝負


する意味がどこにあるの


「黙ってるけど自信ないわけ?」


青矢先輩が挑発するように


昴君に視線を投げかける


< 186 / 236 >

この作品をシェア

pagetop