Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

「だけど、愛情から愛に変わることも確かにあるよね。」


杏ちゃんは私の顔を真っすぐ見て言葉を続ける


「それに、相手は愛情なんて望んでないよね。だからそんな気持ちは青矢先輩に失礼だよ。」


「杏…」


「皆、必死なんだよ。萌音恋すると皆が一生懸命なんだよ。
誰も傷付かない恋なんてないんだよ、だから想いが通じた時に幸せなの。
今の萌音は逃げてるだけだよね。青矢先輩や大羽君の優しさに甘えないで今度は萌音がちゃんと向き合わなくちゃ!!」


自然と涙が溢れ出てきてた



そうだよね


逃げてちゃダメだ


分かってる



「萌音…その勝負でどっちに勝って欲しいのか、自分の気持ちに素直になればいいんだよ。」


そぉ言って私の頭をそっと撫でた


「うん……」


昴君


青矢先輩


こんな弱い私だけど


今度は自分の力で答えを見つけるから





明後日のリレーで


青矢先輩に対する気持ちが恋なのか愛情なのかも



きっと分かる



自分が本当に勝って欲しい


そぉ思う人が私の愛する人で



恋してる人


だから目を反らしちゃいけない


絶対に……




涙を流しながら固く決意する私に


「ねぇ、今日放課後最後の委員会だよね?」


杏ちゃんが話し掛けた


< 191 / 236 >

この作品をシェア

pagetop