Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
どうしよぉ…
行かなくちゃいけないのに足が動かない
皆が立ち上がり移動し始めてるのに
私だけがその場を動くことが出来ずにいた
そんな私の肩を
−ポン…
優しく誰かが触れた
えっ…
顔を上げて後ろを向くと
昴君が優しく微笑んでた
「萌音、行こっ。」
そのまま私の手を引っ張り立たせて
教室を出た
…ドキン…ドキン…
繋いだ手から昴君の温もりが伝わってくる
こんな時に不謹慎かもしれないけど
久し振りの感触に安心してしまう
何でこんなに安心するんだろう
ただ側にいてくれてるだけで私の心は癒されてくのが分かる
しばらくお互い手を繋いだまま廊下を歩く
別れたなんて嘘なんじゃないかって思うぐらい
穏やかで優しい空気が私達二人を包んでる
このままで居たい…
そんな風に思ってしまう
だけどすぐに現実に引き戻されるように
昴君がパッと繋いでいた手を離した