Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


どの位の間そぉしていたんだろう


でもその沈黙を破るかのように昴君が窓の外から
視線をゆっくり私に移して

そっと口を開いた


「萌音…あのさ、携帯の待受見せて欲しい」


「えっ…」


携帯の待受??


「ダメ??」


ダメじゃない


ダメじゃないけど…


ためらっていると昴君がポケットから自分の携帯を出して


「俺の待受。」


って言いながら開いて見せた



あっ……


そこにはあの日の夏祭りの私が写ってた


「未だに消せない。俺の気持ちと一緒…」


そぉ言って不器用に笑う


その顔と言葉に泣きそうになる


昴君…


私はそっとブレザーのポケットから携帯を出して


昴君に渡した


受け取って携帯を開く


昴君私も同じだよ


私の待受も未だ消せない


青矢先輩と出会ったあの日から


何度も本気で消そうとした


だけど開くたび


写真の中の昴君が眩しくてダメだったの


「わたし…」



そぉ言いかけた時


−カラン…


何かが下に落ちる音がして


私の体は昴君に包まれていた


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