Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「すっ!昴君…キャッ」
ビックリして名前を呼ぶと凄い力で
壁に押し付けられた
見上げると昴君の顔がすぐ近くにあって
気付いたときには私の唇は昴君の唇に重なり合っていた
今までのキスとは比べものにならない位
深く
激しく
でも切なさが込み上げてくる
「ハァ…ンッ…」
思わず吐息が漏れてしまう
昴君…
いつもと全く違う昴君に驚きながらも
全然嫌じゃなくて
私は昴君の胸に手をやり唇を受け止め続けた
誰かに見られてしまうかもしれない
だけど私も昴君もそんなの関係なくて
ただ降り続けるキスを
唇を身体に染みこますように
お互いを求め続けた
こんなに激しくて
でも切ないキスは初めてだった
キスが深くなるほど
胸が張り裂けそうになる
「ツッ…すば…る…君…」
長いキスの合間に名前を呼ぶと
ハッとしたように昴君が唇を離して
「ごめん…押さえられなかった…」
って言って強く抱きしめた
そして
「萌音…俺明後日生徒会長と萌音を賭けて戦う事になった…」
って耳元で囁いた
「知ってる…」
小さな声で私が口にすると
昴君は抱きしめていた身体を少しだけ離して
私を見つめた