Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
☆秘密の始まり☆
放課後の調理実習室
あの秘密の約束をしてから今日が初めての火曜日
私はいつになく気合いを入れて幾つかの小さいドルチェを作っていた
「うわー。萌音のそれ可愛い…」
杏ちゃんが隣でバナナケーキを作りながら話し掛けてきた…
「うん。なんかね、お弁当なら横にあるのは小さい物のがいいかなと思って…」
「へぇ−さすが料理部のエースだね!!」
「もぉ!又変な事言う!!」
でもこのアイディアは大羽君のお陰なんだ
大羽君が少しの休憩時間で食べれる物って思ったら
小さいドルチェが思い浮かんだんだよね…
食べて貰える人がいると
今までの何倍も料理が楽しくなるんだ
「でもさ、実際今回の大会かなり気合い入ってるよね?萌音」
杏ちゃんが手を止めて真剣な顔で話し掛ける
「うん…絶対勝ちたいの…」
「…それってやっぱり……」
「うん。お母さんとの約束だから…」
俯きながら私は答えた