Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
総合リレーは西宮高校の目玉競技
大半が人気のある生徒で構成されてるから
さっきまで怠い空気が漂っていたのに
急にギャラリーが増え出した
そんな中
入場の音楽が流れだし
リレーの選手達が入場門から入って来た
『キャー!!!!!』
女の子達の歓声が響き渡り
校庭全体が熱気で暑くなってく
列の1番後ろに二人の姿が見えた
自然と昴君の足元に目がいってしまう
だけどジャージの裾に隠れててどうなってるのかは分からなかった
グランドの中央に引かれたラインに各チーム一列に並ぶ
その時青矢先輩が昴君に何かを話し掛けてるのが見えた
何を話してるの…
だけど聞き取れるわけもなくて
ただ青矢先輩が話し掛けた後に
昴君が首を大きく横に振り
何かを口にした事だけは遠くからでも分かった
そんなやり取りを見ていると
アナウンスが流れだし
『では、第一走者前へお願いします。』
1番最初の生徒が前へ出た
その光景を見ているだけで胸が高鳴る
私はどっちに勝ってほしい
私は私に正直に
何度も心の中で繰り返す
そして
−パンッ!!!
ピストルの音ともに第一走者がスタートした