Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

彼のその顔は


私の勇気とか希望を全部壊していった



ねぇ…昴君…


私達もぉダメなの??



真っ白になる頭を押さえながら



気付くとスタートラインに立ってた



アナウンスが流れる


『でわ、今から最後の種目、毎年恒例の借り物競争がスタートします!!借り物カードには様々なお題が書かれています。
どんな物を引いたとしても必ず持ってくるように!!』



始まるんだ…


でも私の心は嵐が吹いてるみたいで


その強い風に今にも倒れそうだった



「よーい!!スタート!!」



−パン!!!


みんなが一斉にスタートする中で


私だけがゆっくりと走る



1番最後にお題が書かれたテーブルに行き


残った封筒を取り



開いた





えっ…これ……




紙を見て驚いた




だけど



これはきっと神様がくれた最後のチャンスなんだって



誰かのおふざけで書いたものかもしれないけど


私はこのチャンスに賭けようって思った


昴君


もしダメでも



もぉ一度だけチャンスを下さい



貴方が私にしてくれたように



今度は私が頑張るから



だからまた前みたいに微笑んで



紙を握り締め



私は走り出した



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