Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
二人の間に静かな沈黙が流れる
周りはザワついているのに
私と昴君の周りだけが静かに時を刻んでいくような気がする
出したカードを握る手が汗ばむ
何も言わない昴君の瞳を見つめ続けてくのが辛くなり
そっと目を伏せた
やっぱり今更都合が良すぎるよね
伏せた顔から一粒涙が落ちた
全部が私が悪い
これは恋の神様が優柔不断な私へと与えた罰だよね
流れてく涙を見られないように下を向いたまま
出した手を降ろそうした
「バカ…早く言えよ…」
えっ………
昴君が小さな声で呟いた言葉に反応して顔を上げると
優しく笑う彼の姿が瞳に映った
−グィッ!!!
「すっ!!!」
目が合った瞬間凄い力で手を引かれて
「ほら!!早く走らないとビリになるぞ!!」
って言って走りだした