Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


もぉ杏ちゃんはいつもからかうんだから




私はそんな事を考えながら早足で中庭まで向かった



あまりにも考え事に集中していたせいか
自分がもぉ中庭まで来てる事に気付かなくて

水道場を通りすぎようとした時

「萌音!!!」




へっ…



呼び止められて腕を引っ張られた



「キャッ!!!」



引っ張られたと同時に上を見上げるとそこには大羽君の顔があった




「何通り過ぎてんだよ。」





わっ!!顔が近い!!



私と大羽君は息が掛かり合うほどの距離にいた


「あの…!!」



「ん??」



まったく気にする様子もなく話しを続ける



「俺が目の前に居るのに通りすぎるって、ありえないだろ」



そぉ言いながら優しく微笑んだ




余りにも距離が近くて心臓が壊れそうだったから



私は大羽君から少しだけ離れた




「ごっ…ごめんなさい!!つい考え事してたら…」




「何考えてたの??」



「えっと…忘れ…ました…」



まさか大羽君の事考えてたなんて言るわけないよ



「忘れたのかよ!!まぁいいや♪こっちおいで…」



そぉ言って掴んでいた腕をそのまま下に滑らせて手を繋ぐ格好になった



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