Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
☆昴☆
−−1年前の夏
俺は一人廊下を歩いてた
さっき友達の女の子に呼び出された
理由は簡単
告白だった
自分でこんな事言うのは可笑しいけど昔から女にはモテた
告白されたのだって両手で足りないくらいだ
だけど誰かを好きになったことなんて一度もない
初恋すらまだで
はっきり言って自分が誰かを好きになるなんて
想像すら出来なかった
だから今回の告白も断り
バスケの部活に向かった
ぼんやりと外を眺めながら歩いてると
調理実習室の前を通り掛かった
いつもならただ通り過ぎるだけなのに
ドアが半分開いていたからか
立ち止まって視線を中に移した
あれ……
中を見ると一人の女の子が瞳に入ってきた
彼女は小柄でフワフワの長い髪
クリクリした瞳で
一言で言うと『可愛い』って言葉がピッタリと当てはまる
だけどそんな彼女の大きな瞳からは涙が溢れてた