Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
1年が経ち
未だに話し掛けられずにいた
見ているだけの自分から
なんとか脱出したくて
チャンスを探した
そんな時萌音がよく中庭を通る事に気付いて
部活の休憩時間に中庭行った
それがあの日だった
パンジーを見つめる萌音にわざとタオルを忘れたふりをする
話し掛けてくれるかは分からないけど俺にとっては賭だった
だから萌音が話し掛けてくれた時飛び上がるほど嬉しくて
抱きしめそうになった
近くで見る萌音は想像以上に可愛くて
クルクルかわる表情や『萌音』って呼んだだけで赤くなる顔を見て
ますます好きになっていった
俺だけの萌音にしたい
誰かに盗られたくない
気持ちがどんどん膨らんでった
だから俺は
萌音が実行委員だって名波から聞いて知って
本当は違うのにクラスの奴に変わってもらい
実行委員になったんだ
全部が自分で作ったチャンスだった
中庭の約束も
なにもかも
俺は萌音をずっと見てたから
ずっと
ずっと
好きだったんだ……