Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


握られた手から大羽君の体温が伝わってきて

私の身体はどんどん熱を帯びていくのが分かる


お父さん以外の人と手を繋ぐなんて初めてだよ…


男の子の手って大きいんだなぁ


握られた手を見詰めながらそんな事を考えていると


大羽君が

「萌音、見て。」


と言って目の前を指差した

そこには二人が座れるハート柄のランチシートが敷いてあった


「わっ。可愛い!!」

思わず口にすると大羽君は恥ずかしそうに

「食べるのに何かあった方がいいと思ってさ。姉貴に言ったらこんな柄しかないって言うし…無いよりマシだろ!!」


と顔を赤くしながら言ったあと

ドカッとシートの上に座った


「萌音も早く座れよ。」

「うん。」


私はシートの上に横座りに座ると水玉の包みから4種類のミニドルチェを出した


「あのね、右から苺のタルト、抹茶のムース、ショコラにモンブランなの…」

説明すると


「すげぇ小せぇ〜!!旨そう!!」


って喜んで

「食べていい??」


ニコニコしながら聞いてきた


「うん。どうぞ!!」


「よし、いただきまぁす!!」


おもむろに苺のタルトを手に取りバクッと豪快に一口食べた


そして…

「やっぱそうだ…」

と呟いた。


え…何が??

私が不思議そうに見ていると


視線に気付いて大羽君がこっちを見た

目が合うと八重歯を出してニコッと笑い口を開いた


「こないだのケーキもそうだけど、萌音の作るお菓子は甘すぎないで調度いいんだよな。」



< 24 / 236 >

この作品をシェア

pagetop