Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
握られた手から大羽君の体温が伝わってきて
私の身体はどんどん熱を帯びていくのが分かる
お父さん以外の人と手を繋ぐなんて初めてだよ…
男の子の手って大きいんだなぁ
握られた手を見詰めながらそんな事を考えていると
大羽君が
「萌音、見て。」
と言って目の前を指差した
そこには二人が座れるハート柄のランチシートが敷いてあった
「わっ。可愛い!!」
思わず口にすると大羽君は恥ずかしそうに
「食べるのに何かあった方がいいと思ってさ。姉貴に言ったらこんな柄しかないって言うし…無いよりマシだろ!!」
と顔を赤くしながら言ったあと
ドカッとシートの上に座った
「萌音も早く座れよ。」
「うん。」
私はシートの上に横座りに座ると水玉の包みから4種類のミニドルチェを出した
「あのね、右から苺のタルト、抹茶のムース、ショコラにモンブランなの…」
説明すると
「すげぇ小せぇ〜!!旨そう!!」
って喜んで
「食べていい??」
ニコニコしながら聞いてきた
「うん。どうぞ!!」
「よし、いただきまぁす!!」
おもむろに苺のタルトを手に取りバクッと豪快に一口食べた
そして…
「やっぱそうだ…」
と呟いた。
え…何が??
私が不思議そうに見ていると
視線に気付いて大羽君がこっちを見た
目が合うと八重歯を出してニコッと笑い口を開いた
「こないだのケーキもそうだけど、萌音の作るお菓子は甘すぎないで調度いいんだよな。」