Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
2章 夏の本番
☆玉子焼き☆
初めての秘密の日から
今日で3回目の火曜日がきた
季節は7月に入り
爽やかだった風はなくなり、蒸し熱い季節になっていて
夏服でさえ暑く感じる
2回目はお弁当を作った
ロコモコのお弁当。
昴君は喜んでくれたけど、私はいまいち納得出来ていなかった
インパクトがない気がする…
洋風より和風の方がいいのかなぁぁ
うーん…悩むんだよねぇ
必死になって考えていると携帯が鳴った
開くと昴君からのメールだった
−−大羽昴−−
【萌音今どこ??】
2回目に会った時に昴君が
『もし遅れる事がある時とか連絡取れるように』
って言って携帯の番号とアドレスを教えてくれた
【今日は杏ちゃんが休みだから屋上で一人でお昼食べてるよ】
−−送信−−
昴君は毎日一回は電話かメールをくれる
嬉しいけど、他の女の子の友達にもそうかもしれないって思うと
素直に喜べなかった…
実際休み時間や放課後
綺麗な女の子達に囲まれている彼を何度か見ていた
その度に自分とは違う世界の人のような気がしてしかたなかった…
正直何で昴君は私に会うんだろう??
お腹が空いてるから??
だとしたらやっぱり私は期待しちゃいけない
そんな気持ちが私の心にブレーキをかけていた…
空を見上げると
雲一つ無いコバルトブルーの空が拡がっていて
なんだか悲しくなった
私は溜息をついて
お弁当の包みを開けお弁当を食べようとしたその時…
−−バタン!!
いきなりドアが開いたと思ったら
「萌音!!」
昴君が勢いよく入ってきた
「どうしたの!?」
「俺もお昼一緒に食べようと思って来た。」
嬉しそうにニコニコしながら近付くと私の隣に座り
学食で買ってきたパンを食べ始めた
肩が触れ合うか触れ合わないかの微妙な距離…
昴君からはシトラス系の匂いがした
私はドキドキしているのに気付かれたくなくて
俯きながらお弁当を食べ始めた