Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
どぉやって病院まで着いたのかは覚えてない
ただ病院に着くと弟が泣きながら駆け寄って来たのだけは覚えてて
『姉ちゃん早く!!お母さん集中治療室だから…』
私はドキドキしながら部屋に入った…
そこには管を沢山繋がれたお母さんが居た
『お…母…さん??』
お母さんの顔を触るとピクっと動いた
そして私の顔を見た…
涙を浮かべながら懸命に一言だけ呟いたの…
『も…もちゃん…ごめん…ね…』
って
『お母さん!!!』
−−−ピィー……
それと同時にお母さんは息を引き取った…
トラックの運転手さんは無事だった
脇見運転だったんだって…
その人も許せなかったけど
私は自分の事がもっともっと許せなかった
『いらない!縁起悪そうだから』
何て酷い事いったんだろう…
あんな事絶対言っちゃいけなかった
家に帰ると冷蔵庫にお母さんが作ったお弁当が入ってた
開けると……
真っ白いご飯の上に桜でんぶと玉子のソボロで
【頑張って】
の文字が書かれてた…
一口食べると大好きなお母さんの味がした
−−ポタっ…
我慢していた涙が一気に溢れてきた
『お母さん…ごめんなさい…』
いくら言ってももぉ遅いよね…
ごめんね…
ごめんなさい…
謝るから帰ってきてよ…
何で私最後にお母さんに笑ってあげなかったんだろう
大好きってなんで伝えなかったんだろう…
『も…もちゃん…ごめんね…』
最後まで謝らせてばっかりだった
お母さん駄目な子でごめんね…
私の事許してなんかくれないよね…
でもせめて来年の大会で優勝するから…
お母さんが最後に応援してくれたこの大会で
その時は私の事許してね…