Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
☆親友☆
次の日教室に行くと
杏ちゃんが急いで私の所に来た
「萌音!!怪我したんだって!!」
「うん…右手…」
杏ちゃんに右手を見せた
「………。」
「杏…ちゃん??」
「……っ」
えっ
杏ちゃん…
見ると杏ちゃんはポタポタ涙を流してた
「どうしたの!!!」
慌てて顔を覗き込むと杏ちゃんは
「だって…萌音あんなに頑張ってたのに…」
と悔しそうに言った
「杏ちゃん…」
私の為に泣いてくれるなんて
杏ちゃんは本当に
優しいね…
「ありがとう杏ちゃん。でも私は大丈夫だから。」
杏ちゃんは私の言葉にフッと顔を上げた
私はそのまま言葉を繋げる
「お母さんが死んじゃってから、私ずっと大会にこだわってきた。勝たなくちゃお母さんは許してくれないって思ってたから…」
「萌音…」
「でもさ!それって間違いだったんだよね…だってお母さんは私が楽しんで料理を作ってる姿が好きだったんだもん。」
それを昴君が気付かせてくれた
「大会に出れなくたって
大好きな料理を続けられないわけじゃないもんね!」
私は無条件にお母さんから愛されたって事…
「だから、来年頑張るよ!!今度は自分の為に優勝目指して。だから、私は平気だよ?」
平気だから泣かないで…