Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
話し終わって杏ちゃんの顔を見ると
ニッコリ笑って抱き着いてきた
「萌音ぇ。嬉しいよ!!」
えっ??
「本当はずっと心配だったの。一年前のあの日から萌音が心から笑って無い気がして…もしも優勝出来なかったら萌音が壊れちゃうんじゃないかって怖かった…」
「杏ちゃん…」
「でも今の言葉聞いて安心した…凄く嬉しい…」
杏ちゃんはギュッと私を抱きしめた
「あのね杏ちゃん、私が立ち直れたの昴君のお陰なの…」
「えっ!昴って、大羽君!!」
杏ちゃんは勢いよく体を離して
た
「うん…」
「そっか…。でもなんか悔しいな。」
悔しい??
「だってずっと一緒に居た私じゃなくて、大羽君が萌音の心を溶かしたなんて、なんか悔しいじゃん!!」
えっ?
それは違うよ!!
「何言ってんの!!杏ちゃんだってずっと私を支えてくれたじゃない!!」
そうだよ
一年前のあの日一緒に泣いてくれたのは杏ちゃんだったじゃない
杏ちゃんが居たから私は元気になれたんだよ
私は必死に杏ちゃんに訴えた
そしたらいきなり杏ちゃんが笑い出した
「杏…?」
「なんてね。悔しいのは本当だけど、萌音を一年前の呪縛から解き放してくれたんだから感謝しなくちゃね!!」
そぉ言って笑ってる杏ちゃんはいつもの彼女だった
私達は顔を見合わせて笑った