Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜
「萌音は大羽君が好きなんだ??」
いきなり杏ちゃんが聞いてきた
「なっ…何で分かったの!!」
思わず素直に答えてしまった
「プッ…分かるって、萌音の顔に書いてあるもん♪」
えっ!!
本当に???
私は顔を手で隠したけど
杏ちゃんは嬉しそうに言葉を続ける
「隠さなくてもいいじゃん♪恋する事は良いことだよ♪」
うぅ…
なんか恥ずかしいヨォォ
好きだってはっきり分かった昨日から
心臓が張り裂けるくらい胸のドキドキが治まらなかった
だって慰めてくれてただけとはいえ
あのシトラスの香りに包まれたんだから
しかも強く抱きしめられながら号泣しちゃったし
そんな事を考えてたら急に杏ちゃんが
「そうだ!!」
手をポンと叩いて話し出した
「怪我で部活も出れないしさ、今日バスケ部見に行こうよ!!」
「えっ!!」
「しかも今日練習試合らしいよ?」
練習試合??
「他のギャラリーもいるから平気だよ!!ねっ!行こうよ!!」
私の肩を激しく揺さぶりながら杏ちゃんがまくし立てる
「だって、大羽君がバスケしてるとこ見た事ないでしょ??きっとカッコイイよぉ♪」
確かに見た事ない…
どんなプレーするのか見てみたいかも
なんだか凄く行きたくなって
「……うん。行く。」
と頷いた
私が頷くと杏ちゃんは張り切りだして
「よし!!決まりね!!じゃあ放課後ね♪♪」
って大きな声で叫んだ
「うん♪♪」
そんな杏ちゃんを見て私は凄く嬉しくなった
杏ちゃん…居てくれてありがとね
杏ちゃんが私の友達で本当に嬉しいよ…
私は幸せな気持ちに包まれて一日を過ごした