Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

中央のラインに相手校の選手と昴君が立った





…ピィー!!


ホイッスルの音と同時に試合が始まった

天井に投げられたボールを高くジャンプして弾くと走り出した


弾かれたボールを名波君が拾ってドリブルをしながらゴールに向かう





「名波!!!!」

大きな声で叫んだのは昴君だった


昴君!!!

名波君が昴君にボールをパスすると


綺麗なフォームでリングにボールを投げ入れた…


そして


『『キャー!!!!』』

女の子達が叫んだと同時位に

ゴールが決まった…


「凄い…」

私はボソッと呟いた

ゴールを決めた後
昴君がスッと視線を上に上げた


上げられた視線が迷う事なく真っ直ぐ私を見つけて
右手を上げてガッツポーズをした

今のは私にしてくれたんだよね…

昴君が自分を見てくれる…それだけで嬉しくて仕方なかった

私は周りの女の子達に気付かれないように

小さく手を振った



その後も昴君は次々にゴールを決めていく


相手校も何とか追い付こうと必死になるが昴君のスピードについていけず

点差は広がるばかりだった


「大羽君て本当に凄いんだね…」

杏ちゃんが感心しながら言った

「うん。本当だね!!」

本当に凄いよ…

バスケの事はよく分からない私でも昴君が上手いのは分かった


なによりもシュートを決める時のジャンプしいる姿が綺麗で

私は彼から目を離すことが出来なかった


昴君…


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